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<訳者あとがきより>
本書の翻訳を志したきっかけは、日々の小児診療の中で、小児医療の祖といわれる、中国宋代の名医「銭乙」を紹介したいとの思いからでした。『小児薬証直訣』は、単なる古典医書ではなく今なお、小児を診る視点に多くの示唆を与えてくれます。そこには、銭乙は小児を「未だ成長の途上にある存在」と考えながら小児を丁寧に観察していた姿勢が強く感じられました。
原文は簡潔にして含意が深く、一語一句に学術的背景と臨床経験が凝縮されていました。その思想を損なうことなく、かつ現代日本の読者に理解しやすい形で表現することは容易ではありませんでした。できる限り原意を尊重しつつ、臨床の現場で読まれることを意識し、平易な訳文となるよう心がけました。
現代医療は大きく進歩しましたが、それでも子ども一人ひとりの体質や成長を丁寧に見守り考える姿勢は、時代を超えてなお変わらぬ大切な姿勢であると感じています。本書が、日本の小児漢方診療を担う方々のみならず、子どもに関わるすべての方にとって、原点を静かに見つめ直す一助となれば幸いです。 (渡邉俊介)
目次
訳者まえがき
日本小児漢方への『小児薬証直訣』のかかわり
銭乙の生い立ち
『小児薬証直訣』の概説
重刊说明
序 一
序 二
原 序
导 读
整理说明
原 序 【対訳あり】
重刻钱氏小儿药证直诀序
钱仲阳传
巻上 脉证治法 (上巻 脈証治法)【対訳あり】
(原文)小儿脉法 /(翻訳)小児脈法
(原文)变 蒸 /(翻訳)変 蒸
(原文)五脏所主、五脏病 /(翻訳)
(原文)肝外生感风 /(翻訳)肝外風動
(原文)肝 热 /(翻訳)肝 熱
(原文)肺 热 /(翻訳)肺 熱
(原文)肺盛复有风冷 /(翻訳)肺盛の上に風寒がある
(原文)肺虚热 /(翻訳)肺の虚熱
(原文)肺脏怯 /(翻訳)肺臓怯
(原文)心 热 /(翻訳)心 熱
(原文)心 实 /(翻訳)心 実
(原文)肾 虚 /(翻訳)腎 虚
(原文)面上证 /(翻訳)顔の症状
(原文)目内证 /(翻訳)目の色や光沢の症状と治療
(原文)肝病胜肺 /(翻訳)肝病が肺を凌ぐ場合
(原文)肺病胜肝 /(翻訳)肺病が肝を凌ぐ場合
(原文)肝有风 /(翻訳)肝に風がある
(原文)肝有热 /(翻訳)肝に熱がある
(原文)肝有风甚 /(翻訳)肝の風が甚だしい
(原文)惊痫发搐 /(翻訳)驚癇による痙攣
(原文)早晨发搐 /(翻訳)早朝の痙攣
(原文)日午发搐 /(翻訳)昼ごろの痙攣
(原文)日晚发搐 /(翻訳)夕方の痙攣
(原文)夜间发搐 /(翻訳)夜間の痙攣
(原文)伤风后发搐 /(翻訳)傷風後の痙攣
(原文)伤食后发搐 /(翻訳)傷食後の痙攣
(原文)百日内发搐 /(翻訳)生後100日内の痙攣
(原文)急 惊 /(翻訳)急 驚
(原文)慢 惊 /(翻訳)慢 驚
(原文)五 痫 /(翻訳)5種類の癲癇
(原文)疮疹候 /(翻訳)瘡疹について
(原文)伤 风 /(翻訳)傷 風
(原文)伤风手足冷 /(翻訳)傷風による手足の冷たさ(末梢冷感)
(原文)伤风自利 /(翻訳)傷風による下痢
(原文)伤风腹胀 /(翻訳)傷風による腹満感
(原文)伤风兼脏 /(翻訳)傷風による臓の合併症
(原文)伤风下后余热 /(翻訳)傷風を下した後の余熱
(原文)伤寒疮疹同异 /(翻訳)傷寒と瘡疹の違い
(原文)初生三日内吐泻壮热 /(翻訳)生後3日内の嘔吐下痢症に伴う壮熱(持続する高熱)
(原文)初生三日以上至十日吐泻身温凉 /(翻訳)生後3~10日以内の嘔吐下痢症に伴う低体温
(原文)初生下吐 /(翻訳)出生直後の嘔吐
(原文)伤风吐泻身温 /(翻訳)傷風に伴う嘔吐下痢症で身体が温かい場合
(原文)伤风吐泻身热 /(翻訳)傷風に伴う嘔吐下痢症で身体が熱い場合
(原文)伤风吐泻身凉 /(翻訳)傷風による嘔吐下痢症で身体が冷たい
(原文)风温潮热壮热相似 /(翻訳)風熱、温壮、潮熱、壮熱の類似点
(原文)肾怯失音相似 /(翻訳)腎怯と失音との類似点
(原文)黄相似 /(翻訳)黄証の類似点
(原文)夏秋吐泻 /(翻訳)夏秋時の嘔吐下痢症
(原文)吐 乳 /(翻訳)吐 乳
(原文)虚 羸 /(翻訳)虚 羸
(原文)咳 嗽 /(翻訳)咳 嗽
(原文)诸 疳 /(翻訳)諸 疳
(原文)胃气不和 /(翻訳)胃気不和
(原文)胃冷虚 /(翻訳)胃寒虚
(原文)积 痛 /(翻訳)積 痛
(原文)虫痛 虚实腹痛附 /(翻訳)回虫症による腹痛と虚実腹痛
(原文)虫与痫相似 /(翻訳)回虫症と癲癇の違い
(原文)气不和 /(翻訳)気不和
(原文)食不消 /(翻訳)食不消化
(原文)腹中有癖 /(翻訳)腹部に癖ができる
(原文)虚实腹胀 肿附 /(翻訳)虚実の腹脹と腫れ
(原文)喜 汗 /(翻訳)多 汗
(原文)盗 汗 /(翻訳)盗 汗
(原文)夜 啼 /(翻訳)夜泣き
(原文)惊 啼 /(翻訳)驚による泣き
(原文)弄 舌 /(翻訳)舌で遊ぶ
(原文)丹 瘤 /(翻訳)たんこぶ
(原文)解 颅 /(翻訳)大泉門が閉じない
(原文)太阳虚汗 /(翻訳)太陽による虚汗
(原文)胃怯汗 /(翻訳)胃怯による発汗
(原文)胃 啼 /(翻訳)胃泣き
(原文)胎 肥 /(翻訳)胎児肥
(原文)胎 怯 /(翻訳)胎 怯
(原文)胎 热 /(翻訳)胎 熱
(原文)急欲乳不能食 /(翻訳)哺乳しようとしても哺乳ができない
(原文)龟背龟胸 /(翻訳)亀背と亀胸
(原文)肿 病 /(翻訳)腫れる病態
(原文)五脏相胜轻重 /(翻訳)五臓相勝と重要性について
(原文)杂病证 /(翻訳)雑病証
(原文)不治证 /(翻訳)不治の病
卷中 记尝所治病二十三证 (中巻 23証の治療例)【対訳あり】
卷下 诸 方
附录 阎氏小儿方论
董氏小儿斑疹备急方论
解 説 【意訳と補足】
●上巻 脈証治法
1 小児の脈診について
2 小児の成長、発達(変蒸)について
4 肝経、肺経、心経、腎経の病状と治療について
5 小児の診察(望診)について
6 その他の肝経、肺経の病状と治療について
7 痙攣の病状と治療について(急驚と慢驚を含めて)
8 瘡疹について
9 傷風、嘔吐、下痢に伴う諸症状(生後を含む嘔吐や下痢、虚羸)
10 咳嗽について
11 疳について
12 腹部の症状や汗などについて
13 亀背と亀胸について
14 浮腫と喘息
17 不治の病
●中巻 23証の治療例
●下巻(諸々の方剤)
●付録(宋大梁 閻孝忠著)
あとがき







