認知症の最新医療

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<特集>鑑別診断に用いられる脳イメージング

1/25発売

31号 Vol.8 No.4 (2018年10月)

発売:2018年10月25日

価格:800円+税



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特集
31号 Vol.8 No.4 (2018年10月)

鑑別診断に用いられる脳イメージング

特集にあたって
山本泰司

 わが国のみならず,世界的な高齢化に伴って認知症患者の増加が続いている。現在,認知症の根本治療薬の開発研究は積極的に続いているものの,その見通しはいまだ楽観視できる状況ではない。そこで,認知症の早期診断の重要性がより注目を集めている。認知症をより早期に,そしてより正確に診断できる精査方法の一つとして,近年,頭部画像検査は大きな進歩を遂げている。
 そこで,本号の特集テーマとして,認知症の鑑別診断に有用な頭部画像検査(脳イメージング)として,代表的なものを5つ紹介することとした。なかでも,最近多く用いられるようになっているDAT scanや,研究のみならず近い将来に実臨床での活用も期待されているアミロイドPETとタウPETも本特集のテーマに加えた。
 それぞれの執筆者には,それぞれの検査の原理や特徴,どのような疾患の鑑別精査に有用であるかなどについて分かりやすく,かつやや詳細にご執筆いただいた。今回ご執筆いただいた方々は,いずれもわが国において認知症の臨床研究を精力的に行っている現役の研究者である。
 本号の特集企画がさまざまな職種の読者のみなさんにとって,新たな知識を得て理解を深めることに役立つものと期待する。

1.認知症の画像検査とその実施について
赤松 剛

 認知症に対する画像検査は,臨床診断の裏づけとなる客観的な情報が得られる非常に有用な検査である。最近では画像バイオマーカーといわれ,認知症の病態変化を示す重要な指標となりつつある。脳の形を診る形態的検査(CT,MRIなど)と生体の機能を診る機能的検査(核医学検査など)の大きく2種類に分類され,それぞれ特徴がある。画像検査を安全かつスムーズに実施するためには,検査を依頼する医師,撮像を担当する診療放射線技師や看護師,読影を行う放射線科医師,被検者,そして介助者の密接な連携が重要である。本稿では,認知症診療に有用な画像検査の種類とそれぞれの検査の特徴を概説する。

2.頭部CT/MRI検査
鷲田和夫   猪原匡史

 アルツハイマー病や血管性認知症の鑑別・臨床診断において,頭部CT/MRIによる脳形態画像検査は重要な地位を占めており,近年においても診断技術は確実に進歩している。アルツハイマー病においては,VSRADによる側頭葉内側領域の萎縮評価やMRI-T2*強調画像による後頭葉を主としたアミロイドアンギオパチーの所見が診断に寄与する。血管性認知症においては従来,Fazekas分類による白質病変の評価やBOMBSスコアによる脳微小出血の評価が用いられてきた。近年提唱されたTotal small-vessel disease scoreは,白質病変・脳微小出血・血管周囲腔拡大・ラクナ梗塞を総合的に評価したものであり,比較的簡便・実用的で血管性認知症のリスク層別化・重症度の評価に有用である。

3.脳血流SPECT検査
高橋竜一    石井一成

 脳血流SPECTは,FDG-PETと同様に脳機能低下を検出するバイオマーカーである。MRIに比べて感度が高く,CSFやFDG-PETと比べると感度は低いが,国内で広く普及されているという点,わが国での保険診療が認められている点からもアルツハイマー病の早期診断ツールの一つとして不可欠なものとなりつつある。本稿ではアルツハイマー病,レビー小体型認知症,血管性認知症のそれぞれにつき脳血流低下パターンを解説する。

4.DAT scanとMIBG心筋シンチグラフィ
石井賢二

 DAT scanやMIBG心筋シンチグラフィは以前より使われている検査であるが,認知症鑑別診断の目的で広く実施されるようになり,その診断的意義や使い分けについて,十分な理解が必要となる。これらは病態特異的なバイオマーカーであり,アルツハイマー病(AD)とレビー小体型認知症(DLB)や認知症を伴うパーキンソン病(PDD),その他パーキンソニズムを伴う認知症を鑑別して行くうえで,有用なツールとなる。臨床情報の少ない初期評価や早期病態の評価に使われることが多いが,感度や特異度など検査の特徴をよく理解して用いることが大切である。

5.アミロイドPETとタウPET
大西章仁

 アルツハイマー病には,線維型アミロイドβが凝集・沈着した老人斑とタウ蛋白質の凝集からなる神経原線維変化の2つの病理学的特徴がある。アミロイドPETはアミロイドβ沈着を画像化したもので,ADNI(Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative)研究をはじめ,多くの臨床研究で有用性が報告されている。保険適用ではないが,18F標識の薬剤の合成装置や放射線医薬品が薬機法で承認され,日常診療で使える状況に近づいている。タウPETは,タウ蛋白質の凝集を画像化したもので,実用化に向け研究が進んでいる。有用性は未確立だが,タウ関連疾患の評価・鑑別や進行度を示すマーカーとして期待されている。

原著

若年性認知症の業務上の問題に関して-一症例を通して産業医の立場から
牧 徳彦

情報発信

◆目で見る神経病理
Betz巨細胞
藤城弘樹

◆精神医学のトピックス
アルツハイマー病とてんかん
下田健吾

◆認知症に関連する用語解説
相補代替医療/団塊の世代
柴田展人

◆最近のジャーナルから
Wattmo C et al. Dement Geriatr Cogn Dis Extra 7: 172-187, 2017 /
Nijsten JMH et al. J Am Geriatr Soc 65: 2182-2189, 2017
小川純人

◆歯科と認知症-2
咀嚼機能の低下と認知症との関連性-疫学データからのエビデンス
三浦宏子

◆認知症患者の暮らしサポート情報
家族会・患者会を訪ねて
男性介護者と支援者の全国ネットワーク-第2回
津止正敏氏

◆認知症の人の思い、家族の思い
知人や周囲の人のちょっとしたひと言に心が傷ついているのは私だけでしょうか
認知症の人と家族の会 東京都支部

これからの特集

※企画は変更する場合があります。

■Vol.9 No.1(通巻32号)

特集:認知症とテクノロジー ~AI・IoT・ロボットとその可能性

■Vol.9 No.2(通巻33号)

特集:認知症と血管障害-血管因子からみた認知症の病態と診断の変化


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