認知症の最新医療

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    Vol.8 No.3 通巻30号(2018年7月)

    身体合併症医療と終末期ケア-それぞれの立場から

     認知症の病期に応じて,認知症医療にはさまざまな局面がある。予防から始まり,初期には抑うつやもの忘れの気づきへの対応,そして,認知機能障害の進行やBPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)が課題なる時期を経て,認知症の中期以降は身体機能の衰えが課題となる。人が生きることの終わりに死があり,認知症医療でも,いずれ終末期の医療とケアが大きな課題となる。しかしながら日常臨床のなかで得る実感として,認知症医療がやがては終末期医療につながっていくということに対する一般の認識は,まだまだ深くはないと感じる。
     今回の企画は,その人の終末期がもう訪れていることを,関与する者たちが共有する過程をテーマとした。認知症の経過のなかで嚥下性肺炎を繰り返すこと,食べない,あるいは食べられなくなっていくことを,われわれ医療者がどのように理解し,医療のなかに位置づけていくのか。認知症高齢者が病院ではない場所を最期の時間を過ごす場所として選んだとき,家族やスタッフがどのような葛藤を抱え,どのような過程を経て「その人がそこにいること」を受け入れていくのか。そして終末期ケアの脱施設化の流れと社会のあり方の変化について,それぞれの現場にいらっしゃる先生方にご寄稿をいただいた。
     ご寄稿いただいた諸先生方に深謝申し上げるとともに,この特集が,お読みいただく方々の心に何かを残すことを願っています。

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    Vol.8 No.2 通巻29号(2018年4月)

    向精神薬と高齢者
    -注意点と副作用をふまえた安全な処方のために

     近年,高齢者医療の現場では,慢性疾患に対する治療薬の多剤処方(いわゆるpolypharmacy)が大きな話題となっています。医療安全の観点から,高齢者へ投与する薬剤は4,5種類以下にすべきとの指針も示されています。また,精神科領域でも統合失調症,うつ病などに対しても,多剤処方が問題となっています。認知症高齢者では,抗認知症薬に加えてBPSD(行動・心理症状)に対し,さまざまな向精神薬を併用せざるを得ない場面が多くあります。さらに,BPSDに対する抗精神病薬投与は,死亡率の上昇,保険適用の問題など,依然多くの課題があります。
     本特集では,向精神薬の効果の点よりも,敢えてネガティブな側面(注意点と副作用)に焦点を当て,各分野の専門の先生にご執筆いただきました。どの向精神薬でも高齢者には慎重に使用しなければなりませんが,先生方にはわかりやすく解説いただきました。病態,各薬剤の細部の情報,相互作用など,多面的な情報も含まれており,認知症高齢者のBPSDに対して実践的な内容になっています。
     高齢者へ向精神薬を使用する場面では,どのようなエビデンスに基づいた薬物療法を行うべきなのか,患者さん・ご家族にはどのような説明をするべきなのか,本特集がこのような疑問解決の一助になればと思います。

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    Vol.8 No.1 通巻28号(2018年1月)

    パーキンソン病の認知機能障害
    -PDの非運動症状としての認知機能障害を見逃さないために

     今回の特集は,「パーキンソン病の認知機能障害-PDの非運動症状としての認知機能障害を見逃さないために」です。
     パーキンソン病の代表的症状として“四大症状”と呼ばれるものがあります。それは,安静時振戦,筋固縮,無動(寡動),姿勢反射障害といった運動症状です。しかし,近年パーキンソン病でも運動症状以外のさまざまな症状が出現することが認識されるようになり,これらの症状は“非運動症状”と呼ばれています。 具体的には精神神経症状 (幻覚や認知機能障害など),睡眠障害, 自律神経障害などが挙げられます。このなかでもとくに認知機能障害についてはパーキンソン病の病態にとって重要な症状と考えられています。パーキンソン病における認知機能障害は,加齢やアルツハイマー病による認知機能障害とは異なる特徴を有しています。 たとえば,もの忘れなどの記銘力障害だけでなく,さまざまな情報を適切に処理して対応する遂行機能が障害されたり,幻覚やうつ症状といった精神的な症状が関与しやすいことです。パーキンソン病の認知機能障害については,アルツハイマー病に対するドネペジルや漢方の抑肝散などが治療薬として使われることがありますが,認知機能障害そのものに対する効果は乏しく,運動症状の治療薬である抗パーキンソン病薬とのバランスを上手くとりながらリハビリや介護の面でもサポートをしていく必要があります。
     本特集では,パーキンソン病の認知機能障害に関して認知機能障害の特徴,関連症状から画像検査,バイオマーカーに至るまで,この分野の第一人者の先生方にわかりやすく解説していただきました。本特集が,お読みいただいた皆様の明日からの日常診療に少しでもお役に立てれば,編集者として幸いです。

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    Vol.7 No.4 通巻27号(2017年10月)

    アルツハイマー病に対する治療薬の現状と展望
    -進行予防から根治治療へ

     本誌は1年に1回のペースで認知症に対する薬物療法を取り上げてきた。2年前の企画の段階では,根治治療を目指した薬物療法をクローズアップできるのではないかと考えていたが,アルツハイマー病根治治療薬の開発は臨床試験の段階で期待された結果が出ず,製品化の断念が続いていることは周知の通りである。その理由はさまざまであると思われるが,アルツハイマー病の病期にかかわらずアミロイドβ仮説に縛られていた面も要因の一つかもしれないと考えている。ここで強調したいのは,この期間は決して苦杯の連続ではなく,アルツハイマー病の病態にかかわる研究が進歩し,新たなアプローチによる新薬の開発が行われるようになったこと,さらに,現在の症状改善薬治療に対する有効性や限界などの議論が進んだということも忘れてはならない。
     そもそも臨床の場で重要なことは,個々の患者にとって有益な治療とは何かという問題について,今考えうる限りの引き出しから非薬物療法も含めた組み合わせを考えることであり,治療の是非や投薬による根治が何パーセントという問題ではないはずである。
     本特集では,臨床上の引き出しの中身を増やすべく,各方面のエキスパートから現在用いられている症状改善薬について根拠に基づいた中立的な立場でメリット・デメリットを解説してもらい,最後に根治薬の展望についても触れていただいた。その結果,きわめてわかりやすく公平性が高い特集になったと思う。各執筆者には感謝申し上げたい。

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    Vol.7 No.3 通巻26号(2017年7月)

    ホルモンと認知症・フレイル
    -内科的疾患との関連で

     フレイルは,身体予備能の低下を基盤として健康障害のリスクを有する状態として脆弱化した心身を捉えている概念と理解されています。また,フレイルは認知症と同様にADL(activities of daily living)やQOL(quality of life)に大きな影響を及ぼすことからも,その予防対策は超高齢社会を迎えたわが国において重要な課題となっています。さらに,これまでの知見から,認知症やフレイルの発症・進展と性ホルモンやビタミンDをはじめとするホルモンの血中濃度や加齢性変化などとの間に関連性が認められる可能性が示されるようになってきています。閉経に伴う女性ホルモンの欠乏状態をはじめ,加齢に伴ってホルモンの分泌,血中濃度,代謝速度,応答性にさまざまな変化が生じることが知られており,フレイルや認知機能低下のバイオマーカーとしての有用性やホルモン補充などの介入による改善効果も示唆されてきています。
    今回の特集では,フレイルや認知機能とホルモンとの間にどのような接点があるのか,とくに性ホルモン,甲状腺ホルモン,ビタミンD,インクレチンを取り上げ,各分野でご活躍の先生方から最近の知見や研究成果を交えて非常にわかりやすく解説いただきました。本特集を通じて,フレイル・認知症とホルモンとの関連性について理解が深まり,フレイルや認知症の臨床・研究をはじめ高齢者の医療やケアに携わる方々の一助となれば幸いです。

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    Vol.7 No.2 通巻25号(2017年4月)

    遺伝が関与する認知症
    -主な認知症と遺伝子との関係について

     本号の特集では,「認知症における遺伝子の関与」をテーマに企画した。
     医学の進歩に伴ってこの30年余りで遺伝子研究による成果も増えており,近年,さまざまな病気が遺伝子レベルで解明されつつある。現在までに,癌(乳癌,大腸癌など),神経疾患(パーキンソン病,ハンチントン病など),生活習慣病(高血圧,糖尿病,脂質異常症,痛風など),精神疾患(ADHDなど),眼科疾患(加齢黄斑変性症など),およびいくつかの認知症にも遺伝が関与していることが分かってきた。
    しかし,遺伝子が関与するといっても,遺伝形式(優性遺伝,劣性遺伝)の違いやリスク遺伝子(遺伝学的危険因子)としての限定的関与であったり,さらに環境因子(生活習慣など)との複合的関与などによって,遺伝の影響の程度はさまざまである。したがって,遺伝子に関する知識が少ない一般の人々の理解は容易ではなく,また誤解も多い。
    そこで,本号の特集では,認知症の遺伝子研究に関する総論を一つ,さらに各論としてアルツハイマー病をはじめとする5種類の認知症に分類し,それぞれの専門家にわかりやすく説明いただいた。
    誌面の関係上,専門書のように詳細までは述べられていないものの,要点を分かりやすく述べられていることから,読者の皆さんが本特集によって認知症に対する遺伝因子の関与について知識を整理し,正しく理解するための一助となることを期待する。

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    Vol.7 No.1 通巻24号(2017年1月)

    一人暮らしで迎える認知症
    -超高齢社会のなかで

     独居の認知症高齢者。そう聞いて,それを身近に感じる人も自分とは縁遠いことのように感じる人もいるだろうが,一人暮らしで認知症を迎えること,それは,誰にとってもそれほど縁遠いことではない。身寄りがない,あるいは生涯を未婚で過ごした者だけが,一人暮らしで認知症を迎えるわけではない。
    高齢夫婦世帯でかつて介護者であった人が,配偶者を見送ったあとで困難事例化しているケースに遭遇する。“健康な介護者”であったときに,認知症を抱える配偶者を介してつながっていた支援者とのつながりは,配偶者が亡くなると同時にすべて切れてしまう。介護者であった者が,自身の認知症の始まりを自認し介護される側に役割を転換し,援助を希求すること,援助を受け入れていくことは容易ではなく,認知症高齢者をささえる医療・介護資源について知識がないわけではないにもかかわらず,いつしか困難事例ということで把握される。そのようなことは誰にでも起こりうることなのに,現状では“健康な介護者”を支える制度が著しく不足している。
    「認知症の人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現(厚生労働省:認知症施策推進総合戦略)」に,まず何が必要なのだろう。かかわるその人その人の5年後,10年後を想像し,生じるであろう困難を予測しながら生活を支えるという視点がなければ,認知症高齢者を地域で支えることはできない。
    何が起こるのか予測し,いかにかかわるのか考えていく一助として,本特集では,独居の認知症高齢者の医療相談を受ける機会が多い認知症疾患医療センターのソーシャルワーカー,配偶者を見送った元介護者のその後の生活にかかわる試みを模索されている居宅介護事業所と家族会,そして,困難化する前段階にある高齢者に対する行政の,それぞれの取り組みについて紹介いただくことにした。
    ご寄稿いただいた諸先生方に深謝申し上げるとともに,本特集がお読みいただく方々の心に何かを残すことを願っています。

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    Vol.6 No.4 通巻23号(2016年10月)

    アルツハイマー病治療薬の副作用への対応
    -安定した服薬管理のために

     日本では,アルツハイマー病患者さんの治療は1999年から現行の4剤体制となる2011年までは,さまざまな副作用対策をしながら,唯一の抗認知症薬であるドネペジル内服を継続する以外に選択肢はありませんでした。現在は3種類のコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンのそれぞれの特徴を活かし,効果・副作用を観察しながら,適宜変更,追加することができるようになりました。長期の治療のなかで,中核症状への効果が乏しく,認知機能の低下が急速の場合には,薬剤変更は積極的に進められるべきです。一方で,中核症状に効果があり,ご家族の評価なども良いのに,副作用のために薬剤の減薬・変更などを検討せざるを得ないこともよく経験します。
     本特集では,アルツハイマー病治療のご専門の先生方に,あまり触れられない“副作用”に着目し,ご執筆いただきました。とくに頻度の高い副作用について,その対策にもわかりやすく言及していただいています。副作用対策をしながら継続するのか,もしくは薬剤変更するのか,判断が難しい状況の大きな手助けとなれば幸いです。

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    Vol.6 No.3 通巻22号(2016年7月)

    レビー小体型認知症
    -重要な認知症を見逃さないために

    今回,第22号の特集は,「レビー小体型認知症-重要な認知症を見逃さないために」です。
     レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies: DLB)は,1976年に日本の小阪憲司らによって発見されたびまん性レビー小体病を基本としており,日本ではアルツハイマー病や脳血管性認知症と並び三大認知症と呼ばれています。
     DLBの臨床的特徴には進行する認知機能障害に加えて,認知機能の動揺,パーキンソニズム,繰り返す具体的な幻視,うつ症状などが挙げられます。
     診断面では,最近シナプス前ドパミントランスポーターのSPECTイメージングや心筋MIBGシンチグラフィといった核医学検査の有用性が報告され,DLB診断の有力なツールになっております。
     治療薬は,2014年にドネペジルの進行抑制効果が確認され,わが国でも治療薬として認可されております。
     病理学的特徴として,中枢神経系において多数のレビー小体およびレビー関連神経突起が出現し,神経細胞の脱落がみられ,レビー小体の主成分はα-シヌクレイン蛋白(αS)で,そのほとんどが不溶性の凝集体である成熟線維からなります。
     従来,レビー小体として蓄積する線維が神経毒性を発揮すると考えられていましたが,凝集過程の早期段階であるオリゴマーの研究に注目が集まっており,αS凝集,とくにオリゴマー形成と神経変性に焦点を当てた治療薬開発の研究が全世界で精力的に行われています。
     上述の臨床および基礎的研究の進歩を背景に,今回の特集ではDLBの臨床診断から画像検査,病理,薬物治療からαS凝集に焦点をあてた根本治療薬開発に至るまで,この分野の第一人者の先生方にわかりやすく解説していただきました。本特集が,お読みいただいた皆様の明日からの日常診療に少しでもお役に立てれば,編集者として幸いに思います。

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    Vol.6 No.2 通巻21号(2016年4月)

    プライマリ・ケアにおける認知症診療
    -アルツハイマー病患者を地域医療で支える時代に求められるもの

    超高齢社会に突入し,認知症を有する高齢者に対する医療および介護の対策が急務となっている。認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)や2016年の診療報酬改定からみても,今後は確実に認知症患者への支援は地域包括システムに移行し,プライマリ・ケアが中心となると考えられる。私は大学病院で高齢者を中心にうつ病や認知症の診療を行っているが,認知症患者は生活習慣病など複数の疾患を有していることが多く,あまりにも細分化し,個々の検査や診療科の予約に時間のかかる大学病院よりも,プライマリ・ケア医が中心となり医療を提供したほうが患者にとって有益であり,早期発見の可能性も広がるのではないかと常々感じている。
     しかし,私がプライマリ・ケア医の立場であったらどうであろうか。多忙な診察に加えて認知症の診断・治療に時間を割くことができるか。加えて,大学病院ではルーチン化している画像や神経心理検査およびコメディカルスタッフとの連携などの制約に当初戸惑うであろう。このようなことを自問自答している時に,プライマリ・ケアの現場で認知症の患者を多く受け入れている先達と話をする機会があった。「診療にかかわっていて心配なことはない。必要な時に画像検査や入院を依頼することはあるが,基本は自らが地域包括医療の中心となって必要な医療および介護支援も考え診療を行っている」という言葉は力強く,限られた認知症患者の診断のみ行っている総合病院の医師への苦言もありがたくいただいた。地域包括システムは絵に描いた餅に過ぎないと感じられている方も多いと思われるが,認知症医療の中心は確実にプライマリ・ケアに移行している。
     本特集は,プライマリ・ケアの現場で明日から役に立つエッセンスを実臨床で活躍されている先生にご執筆いただいた。診療のコツだけでなく,現場からの強いメッセージを感じていただければ幸いである。

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    Vol.6 No.1 通巻20号(2016年1月)

    糖尿病と認知症
    -糖尿病と認知症の相互連関を見据えた予防・治療

    超高齢社会を迎えたわが国において,認知症患者数は増加の一途をたどっております。高齢者における認知症は,本人の日常生活機能や生命予後を規定するだけでなく,本人および介護者のQOL低下につながることが知られており,その予防・治療対策ならびに認知機能や身体機能の定期的な評価は重要と考えられます。また近年の知見から,糖尿病をはじめとする生活習慣病はアルツハイマー病や血管性認知症の病態に深く関与していることが次第に明らかになってきています。糖尿病の場合,動脈硬化などの血管性要因に加えてインスリン抵抗性や高血糖に関連した代謝性要因の関与が考えられますが,その一方で認知機能低下と低血糖や日内血糖変動との関連性も指摘されるなど,糖尿病と認知症の相互連関がより詳細に解明されてきています。
     今回の企画では,糖尿病と認知症との間にどのような接点があるのか,さらには両者の相互連関を見据えた実際的な予防・治療についても取り上げました。具体的には,糖尿病患者における認知症の発症機序やその特性,認知症予防に向けた栄養管理,ならびに認知症高齢者における糖尿病管理について,各分野のエキスパートの先生方から最新知見や研究成果を交えて非常にわかりやすく解説,紹介いただきました。本特集を通じて,糖尿病と認知症との相互連関について一層理解が深まり,認知症や糖尿病の実地診療をはじめ高齢者の医療や介護に携わる多くの方々にとって一助となれば幸いです。

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    Vol.5 No.4 通巻19号(2015年10月)

    アルツハイマー病とその鑑別疾患-アルツハイマー病との鑑別が重要な疾患

    認知症の診療において重要なことは,まず臨床診断が正確になされることであろう。認知症のなかで最多を占めるアルツハイマー病(AD)といえども,認知症全体の50~60%程度であることから,残りの40%以上は非アルツハイマー病ということになる。
     そこで,本号の特集ではADとの鑑別が必要となる非アルツハイマー型認知症をテーマにして,その鑑別診断における臨床上の重要なポイントを中心にわかりやすく記述いただくこととした。
     具体的には,まずADとならんで3大認知症に含まれる血管性認知症およびレビー小体型認知症を挙げて,さらにADとの鑑別をする際に見逃しやすい疾患としては,進行性核上性麻痺/皮質基底核変性症および正常圧水頭症を選んだ。
     これら4つの疾患群とその比較のために,典型的なADを加えたうえで,国内有数の認知症診療の経験が豊かな5人の先生方にそれぞれ執筆を依頼した。ご多忙のなか,快くお引き受けいただいたことに感謝したい。
     なお,誌面の都合上,今回の特集に前頭側頭型認知症(FTD)をはじめとしたいくつかの重要な鑑別疾患が含まれていないことをご了解願いたい。本特集の内容が,読者のみなさんの知識の整理に役立つことを願っている。

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    Vol.5 No.3 通巻18号(2015年7月)

    権利擁護-認知症高齢者が当たり前の生活をしていくために必要なこと

    認知症を抱える人の「権利擁護」ということがいわれる。だがそもそも私たちは、自分が持つ権利についてさえ、どれほど考えたことがあるだろう。自分が有する権利さえ知らずに、他人の権利について考えることができるのだろうか。 おそらく私たちは普段、それが権利であると意識する必要もないほど当たり前に、多くの権利を享受している。自分の家と思える場所を持ち、自分で選んだ人との関係のなかに生きる。健康に不安を感じれば病院に行き、困ったと思えば誰かに相談し、相応の扱いを受ける。この当たり前の生活が、実はとても脆弱な基盤の上に成り立っていることを、認知症医療にかかわりながら思う。 本特集は、認知症高齢者が「当たり前の」生活をしていくために必要なことについて、これまで筆者に多くの示唆を与えてくれた先生方にご執筆いただいた。ご寄稿くださった先生方に深謝申し上げるとともに、本特集がさまざまな立場にいらっしゃる専門職の方たちにとって、認知症を抱える人たちの「当たり前」の生活を守ることについて、今一度考えていただける一つのきっかけになれば幸いです。

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    Vol.5 No.2 通巻17号(2015年4月)

    ライフスタイルと認知症-予防からのアプローチ

    認知症の発症については、遺伝子レベルから、生活習慣、環境要因までさまざまな要素が関与しています。アルツハイマー病を例にとっても、アポリポ蛋白E4遺伝子が発症のリスクに影響を与えることはよく知られています。一方で、いわゆる後天的な要素についても多くの知見が集まっています。多くは疫学的な研究からですが、生活習慣病はもちろんのこと、これまでに性格傾向、教育歴、家族背景、運動習慣、食事、嗜好、余暇活動、睡眠などが報告されています。予防的な観点から「どうしたら、アルツハイマー病にならずに済みますか?」との問いかけに、認知症専門医でもなかなかクリアに返答するのは難しいのではないでしょうか?
     今回の企画では、いわゆる「ライフスタイル」と認知症の関連について、専門的に研究されている先生方に、それぞれのテーマで論じていただきました。各先生方には、専門的な内容を非常にわかりやすく解説していただき、さらに、実践的な内容となっています。いわゆるエビデンスとしてどこまで確立しているのか、どういう機序なのか、「予防」という側面からの認知症の理解がさらに深まると思います。
     本特集が、読者の皆様の認知症診療の一助となることを願っております。

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    Vol.5 No.1 通巻16号(2015年1月)

    認知症と鑑別を要する他疾患-治癒可能な認知機能障害を見逃さないために

    われわれの日常診療においてはさまざまな疾患で認知機能低下をきたすことが知られていますが、それらはすべてがアルツハイマー病やレビー小体型認知症といった神経変性疾患だけではありません。軽度の意識障害が認知症と紛らわしいこともしばしば経験するところであり、適切な時期に適切な診断と治療を行うことができれば、症状の改善が見込まれることも少なからずあります。これらは“treatable dementia”と呼ばれ、日常診療では決して見逃してはならない疾患とされています。さらに,さまざまな認知症疾患にともなう特徴的な身体症状の把握も、患者のトータルマネージメントという観点から重要と考えられます。
    本特集では、内科的疾患から脳神経外科的疾患、精神科的疾患に至るまで認知症状をきたす可能性のある身体疾患について、この分野の第一人者の先生方にわかりやすく解説していただきました。

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    Vol.4 No.4 通巻15号(2014年10月)

    非アルツハイマー型認知症-第3の認知症“非AD型変性性認知症”とは

    今回はスキルアップのために「非アルツハイマー型認知症」を取り上げることにした。本誌のモットーである“わかりやすく読みやすい”を踏まえて、最近、第3の認知症として注目されるようになったレビー小体型認知症や前頭側頭型認知症、変性疾患に伴う認知症などに分類し、それぞれの分野に精通した専門医の先生に執筆をお願いした。この場を借りてお忙しいなかご執筆いただき深く御礼申し上げる次第である。 本特集が認知症にかかわる医療関係者の皆様のお役に立つことができれば幸いであり、その結果、あまり取りあげられることのなかった「非アルツハイマー型変性性認知症」が再認識され、介護をされているご家族の一筋の光となることを願っている。

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    Vol.4 No.3 通巻14号(2014年7月)

    筋骨格系の老化と認知症-認知機能と身体機能とをつなぐ架け橋とは

    今回の企画では、このように加齢に伴って認められる身体機能低下と認知機能との間にどのような接点があるのか、とりわけロコモティブシンドローム、サルコペニアや転倒リスクと認知症との関連性について取り上げました。さらにまた、認知症の予防・治療に向けた先進的な運動介入やリハビリテーションの取り組みについて、各分野でご活躍の第一人者の先生方から最新の知見や研究成果を交えて非常にわかりやすく解説、紹介いただきました。本特集を通じて、筋骨格系の老化と認知症についてより一層理解が深まり、認知症診療や高齢者の医療介護に携わる多くの方々にとって一助となることを願っております。

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    在庫僅少Vol.4 No.2 通巻13号(2014年4月)

    認知症の薬物療法-エビデンスレベルの高い薬物療法を目指して

    本号の内容として「抗認知症薬の使い分けをする際に考慮すべき要素とは何か?」、「作用機序の異なるコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンの併用療法の相乗効果はいかなるものか?」、「最近話題になっている軽度認知障害(MCI)に対する抗認知症薬の早期投与による治療効果は期待できるのか?」、そして最後に「抗認知症薬の有効性とその限界とは?、さらには抗認知症薬の『やめ時』の目安は?」という4つの具体的な観点から考察することにしました。
    今回、認知症診療の現場で患者さんに深くかかわっている臨床医のなかから、上記4つのテーマそれぞれにふさわしい先生方に原稿をお願いしました。
     本号の内容が、認知症診療にさまざまな立場でかかわっている多くの方々に役立つものであることを願っています。

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    Vol.4 No.1 通巻12号(2014年1月)

    認知症の終末期をめぐって-その人らしい“しめくくり”とは

    その人らしい人生の“しめくくり”は,誰のものなのだろう,そして誰が決めるのだろう。私は今,その答えをもたない,考えていくために知らないことも多すぎる。そのような思いから今回の特集企画を組ませていただき,それぞれの場所で人生の“しめくくり”について考えていらっしゃる先生方にご寄稿いただいた。  ご寄稿くださった先生方に深謝申し上げるとともに,この特集をお読みいただく方たちのこころに何かが刻まれることを願っています。

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    Vol.3,No.4 通巻11号(2013年10月)

    脳以外の慢性疾患と認知症-認知症診療に必要な身体疾患の理解のために

    身体(脳以外)の慢性疾患と認知症発症の因果関係は広く認識されている一方、身体の慢性疾患が認知症を引き起こす“機序”については、わかりやすく論じられたものはまだ少ないようです。しかし実は認知症を引き起こす慢性疾患はさまざまであり、疫学的なデータだけでなく、この“機序”についても解明が進んできています。今回の企画では、それぞれの慢性疾患を専門とされている先生方に、主にその“機序”について論じていただきました。本特集が、読者の皆様の認知症診療の一助となることを願っております。

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    在庫僅少Vol.3 No.3 通巻10号(2013年7月)

    アルツハイマー病の根本的治療薬最前線-治療薬開発はどこまで進んできているのか

    AD診療,研究の流れにおいて,今回の特集でいま一度,根本治療薬開発の現状を整理したいと考えた。幸運にもそれぞれの分野で世界最先端の診療・研究をされている先生方に承諾を得ることができた。また,本号の神経内科トピックスは,近年,発表された新しいアルツハイマー病の診断基準に関して解説していただくことができた。 この充実した内容の特集号を読まれた医師,研究者やコメディカルの方々が,さらに高い目標をもってADの診療および研究を進めていただけたら企画側としては,このうえない喜びである。

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    品切れVol.3 No.2 通巻9号(2013年4月)

    BPSD-介護者を悩ませる症状を理解し対処するために

    BPSDに対する優れた著書や雑誌の特集は数多くあるが、たいていは教科書的な印象がある。実は私の書棚にも何冊か並んでいる。本号は、前出の背景と本誌のモットーである、わかりやすく、適度な量で、実践的であることを念頭に、第一線で活躍している先生方にご執筆をお願いした。本特集が書棚にしまわれる前に、少しでも読者の皆さんの記憶に残り、お役に立てれば幸いである。

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    Vol.3 No.1 通巻8号(2013年1月)

    高血圧と認知症-高血圧治療薬で認知症を防げるか

     高血圧は、塩分摂取の多いわが国では、60歳以上の6割、70歳以上の7割が罹患するというvery common diseaseである。したがって、認知症に高血圧を合併する割合は高いが、単純に高血圧が多い結果でもない。何故ならば、血管性認知症は高血圧を最大の危険因子とする脳血管障害に起因する疾患であり、少なくとも中年期発症の高血圧はアルツハイマー病の危険因子にもなるとされるからである。5編いずれも最新の内容をコンパクトにまとめていただいたので、短時間に現状把握するには丁度よい読みものと思われる。

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    品切れVol.2 No.4 通巻7号(2012年10月)

    認知症の非薬物療法の現状と課題-様々な非薬物療法をどう考えていくべきか

     高齢化社会のわが国において、現在305万人以上(世界では2,000万人以上)の人々が認知症に罹患しており、今後2035~2040年頃には400万人余りまで増加すると予想されている。  一方、アルツハイマー病(AD)患者の最初の症例報告(1906年)から長らく認知症治療薬のない時代が続いたが、ようやく1990年代後半になって最初のAD治療薬であるドネペジルが上市された。さらに、海外に数年遅れて2011年には3種類の新たなAD治療薬が加わり、現在計4種類の薬剤を使い分けることのできる時代となった。そこで、全国から認知症の非薬物療法に関する各分野のスペシャリストにご執筆をお願いした次第である。  本号の特集が、「認知症の非薬物療法にはどのような種類があって、どのくらい効くの?」という素朴な問いをはじめとして、読者の疑問を解決する一助になれば幸いである。

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  • 認知症の最新医療

    Vol.2 No.3 通巻6号(2012年7月)

    受診できない-受診困難という問題

    さまざまな場所で、さまざまな立場の方たちが、専門領域を超えて、受診困難事例と称される認知症高齢者を支えていること。複雑に絡み合う困難を抱え、その複雑さのためにかえって種々のシステムの網目からこぼれ落ちるこれらの人たちに何ができるのか、何をするべきなのか。  病院の外にある現実、病院に辿り着かない受診困難事例とされる方たちについて、まずは知ることから始めたいと考え、第6号の特集を組ませていただいた。無理なお願いにこたえて寄稿いただいた先生方に心より感謝申し上げたい。そして本特集が、この雑誌を手に取ってくださる読者にとって、なにか意味あるものになることを願う。

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  • 認知症の最新医療

    Vol.2 No.2 通巻9号(2012年4月)

    軽度認知機能障害(MCI)-様々な診療科で診ることになったMCIへの対応

    今回の企画は、診療科によりMCI患者の診察・検査・治療にどのような違いがあるのかを論じていただきました。執筆いただいたのは、主にMCI患者が受診する精神科、脳神経内科、老年内科の各領域の先生方です。実際の臨床場面でのご経験から、その科ならではの特徴をわかりやすく紹介していただきました。さらに一般内科では、どのようにMCI患者さんに対応されているのか、解説をしていただきました。  日頃からMCI患者さんを診療される専門医はもちろん、一般医、コメディカルスタッフの方々にも非常に参考になる内容となっています。それぞれの診療科の特徴などをご理解いただき、今後のMCI患者さんへの対応にお役立ていただけるよう期待しています。

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  • 認知症の最新医療

    Vol.2 No.1 通巻4号(2012年1月)

    認知症診断に役立つ臨床検査-最新の検査を理解するために

     アルツハイマー病(AD)の基礎レベルでの病態研究の進歩とともに、ADの根本的治療法(disease-modifying therapy: DMT)の可能性が現実味を帯びてきており、実際に臨床治験も進みつつある。DMTの開発・実現を推し進めていくためには、ADの早期診断、早期治療が重要である。幸運にもそれぞれの分野で世界最先端の診療・研究をされている先生方に承諾を得ることができた。また、本号の神経内科トピックスも認知症の検査の有力なツールであるMIBG心筋シンチグラフィーに関して吉田先生に解説していただくことができた。この充実した内容の特集号を読まれた医師やコメディカルの方々が、昨日より一歩進んだ認知症診療を進めていただけたら企画側としては、この上ない喜びである。

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  • 認知症の最新医療

    Vol.1 No.3 通巻3号(2011年10月)

    認知症の臨床的診断―薬物投与の前に鑑別を要する病態

    各筆者はその分野のトップランナーであり、わかりやすく読み応えのある内容となっている。認知症の鑑別診断は決してなおざりにされているわけではないが、クローズアップされる機会が少ない。最後に、本特集が、少しでも認知症医療に興味をよせる読者にとって有意義なものになることを切に願う次第である。

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  • 認知症の最新医療

    Vol.1 No.2 通巻2号(2011年7月)

    期待されるアルツハイマー病の新治療薬

    第2号の特集は、待ちに待ったアルツハイマー病の新治療薬3剤が日本でも処方できるようになったことを受けて企画された。本特集には、認知症専門医にとっても、知っているようで知らなかった内容やデータが盛り込まれている。また、いずれの文章もわかりやすく書かれており、これから認知症診療を始めてみようかという医師にも、あるいは認知症患者に関わるコメディカルにも有用な情報源となることを確信している。どうか、今すぐに読んで明日からの診療に役立てていただきたい。

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  • 認知症の最新医療

    Vol.1 No.1 通巻1号(2011年4月)

    アルツハイマー病治療の有効性と限界

    認知症医療は薬物療法に終始するわけではなく、いわゆる全人的な包括医療・看護・介護が必要です。そのような見識に基づいて、それぞれの領域で多くの医療職がうまく協働するには、認知症に関する知識や情報が適切に共有されていることが不可欠です。そしてもちろん、それらは最新の医学情報でなければなりません。  このような観点から、本誌が医師をはじめとする認知症医療の最前線で働く多くの医療スタッフの方々に新たな情報を提供でき、少しでも日々の業務に役立てばと心から願っております。上述のように大変読みやすい構成ですので、ぜひ休憩時間などに気軽に手に取って一読頂けたら幸いです。

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