認知症の最新医療

認知症の最新医療

<特集>アルツハイマー病治療の有効性と限界

Vol.1,No1 通巻1号(2011年4月)

発売:2011年4月25日

価格:800円+税



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特集
Vol.1,No.1 通巻1号(2011年4月)

アルツハイマー病治療の有効性と限界

創刊によせて
新井 平伊

新薬登場で認知症医療は新たなステージに!
 高齢社会の到来とともに認知症をめぐる問題は大きな社会的課題であり、認知症医療は最も重要な医学領域の一つになっています。そして、わが国では12年ぶりにアルツハイマー病に対する新薬が登場するなど大きな展開を見せる中で、本誌「認知症の最新医療」が創刊されることはたいへん意義深いことと思います。  しかし、認知症に関連した医学雑誌や商業誌はこれまでにも数多く発行されているのが現状です。そこで、私たち編集委員会では工夫を凝らし、これまでにない新しい学術情報誌を目指しました。
 その特徴は、
 ① 簡潔な文章で、図表を多用し、コンパクトな体裁で
 ② 認知症の臨床現場に直結する内容を
 ③ 医療・看護・介護関係すべての職種の方に提供する
ということです。そして、特集、情報発信、相互交流の3部構成とし、読者の方々との双方向の情報交換ができたらと考えています。
 いまさら言及するまでもなく、認知症医療は薬物療法に終始するわけではなく、いわゆる全人的な包括医療・看護・介護が必要です。そのような見識に基づいて、それぞれの領域で多くの医療職がうまく協働するには、認知症に関する知識や情報が適切に共有されていることが不可欠です。そしてもちろん、それらは最新の医学情報でなければなりません。
 このような観点から、本誌が医師をはじめとする認知症医療の最前線で働く多くの医療スタッフの方々に新たな情報を提供でき、少しでも日々の業務に役立てばと心から願っております。
上述のように大変読みやすい構成ですので、ぜひ休憩時間などに気軽に手に取って一読頂けたら幸いです。

1.アルツハイマー病中核症状の治療
柴田 展人

アルツハイマー病では、アミロイド線維の重合・沈着(老人斑)に次いで、神経細胞内のタウのリン酸化などから、神経細胞死が引き起こされる。神経細胞変性に伴うアセチルコリン(ACh)の低下により、中核症状が認められるようになる。中核症状は記銘力低下、理解力、判断力低下、実行機能障害、失行、失認などで、病期とともに進行する。ドネペジル塩酸塩に加えて、2011年以降、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンも保険適応が認められる見込みである。新規3剤の特徴、副作用などをまとめ、今後の課題を提起した。

2.BPSD(行動・心理症状)に対する薬物療法
山本 泰司

アルツハイマー病患者の半数以上に出現するといわれるBPSDに対する薬物療法について概説した。現在までに、様々な種類の薬剤が治療に用いられているが、十分な安全性を持ったエビデンスのある有効性の高い薬剤の選択基準および使用方法に関しては未だに一致した結論が得られていない。したがって、現時点でBPSDに対して薬物療法を行う際には、安全性(副作用に対する注意)と治療効果とのバランスへの十分な配慮が必要である。

3.介護者のきもちのつらさ
井藤 佳恵

介護者であることが身体的・精神的健康に影響を及ぼすことは既に確立された知見である。認知症患者の介護者の28~55%が抑うつ状態にある。その負担を死亡率で見れば、家族ケアの必要性が既に認識されるようになっている、がん患者の介護者と比べてもなお高い。認知症患者の介護者にとって、BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)が大きな負担であることは広く認知されている。しかし、介護者のきもちがつらいのはBPSDのためだけではない。生活のそこここに現れる、そのひとつひとつは診察室で医師に言うこともためらうような出来事が、介護者にとっていかに負担であるか、我々は気づく必要がある。

4.アルツハイマー病の予防
小野 賢二郎・山田 正仁

孤発性アルツハイマー病(AD)は、様々な因子が多因子性に作用して発症に至るものと考えられている。食事内容や運動等の生活スタイルの改善がAD予防につながる可能性がある。現在のところ、評価の定まらない因子も多く、今後、疫学研究、基礎研究の両面の推進が必要である。

情報発信

◆目で見る神経病理1
老人斑
藤城弘樹

◆老年医学のトピックス
アンドロゲンと認知機能
秋下 雅弘

◆精神医学のトピックス
うつ病はアルツハイマー病のリスクファクターか?
下田 健吾

◆病名に名を残した医学者1
アロイス・アルツハイマー
新井平伊

◆認知症に関連する用語1
FAB / アミロイドβオリゴマー
柴田展人

◆臨床に役立つ連絡先1
監修 井藤 佳恵


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