機能性ディスペプシア Functional dyspepsia: FD-日本人に適した診療を求めて-

機能性ディスペプシア

Functional dyspepsia: FD

-日本人に適した診療を求めて-

監修 荒川 哲男 (大阪市立大学大学院 消化器内科学教授)
編集 富永 和作 (大阪市立大学大学院 消化器内科学准教授)
定価 本体3,000円+税
A5判 160頁
ISBN978-4-86270-152-7



概要

●古くて新しい疾患「機能性ディスペプシア: FD」。FDの定義・疫学から診断、病態、治療、トピックスまで、全17項目を本邦屈指の執筆陣が解説。

●日本人の実態に合った診療をどうすべきか。知識整理と正しい対応のために。

はじめにより

 日本では「慢性胃炎」の病名のもとに事実上FDを治療してきた永い歴史があり、遅まきながら混乱期をやっと脱しつつある。WHOが公表している疾病の国際的な統計分類(ICD)で、日本語訳として「機能性ディスペプシア」が病名コード登録されたのもごく最近のことである。

 欧米人と日本人では、胃酸分泌能をはじめ、胃の形態・機能に相違点が多い。日本人に適したFD診療が求められるところである。図らずも「機能性ディスペプシア」の病名を適応症とする最初の治験が終了し、日本発信の新薬が臨床の現場に登場したところである。

 このような時期に、実にタイムリーに、本邦初となるFDの単行本出版に関与する幸運に恵まれたことは至高の喜びである。この本が読者の診療・研究に大いに役立ち、患者さんに福音をもたらすことを願っている。(荒川 哲男)

目次

Ⅰ FDの定義・疫学

1. FDの定義は? 日本における実臨床とRome Ⅲとの整合性は?
2. FDは日本で増加している? 今後の増加予測は?
3. FDの発症・増悪に季節性はあるか?

Ⅱ FDの診断

1. 日本人に適したFDの診断法は?
2. 内視鏡所見から、FD治療につながる病態を評価・推察できるか?
3. 心身症と考えるべきか? 診療での線引きは?
4. FDの鑑別診断

Ⅲ FDの病態

1. FDの病態は、環境因子? 遺伝性因子?
2. FDの病態は、ストレス? 胃酸? 消化管運動?
3. FDの病態は機能性疾患ですべて説明できるか? 粘膜炎症から考える
4. FDの病態は機能性疾患で解決されるのか? 腸管神経炎症・変性から考える

Ⅳ FDの治療

1. 病態・病型からみたFDの治療戦略は?
2. 日本のガイドラインからみたFDの一般的推奨治療とは?

Ⅴ トピックス、展望

1. H. pylori 感染性胃炎は、H. pylori 関連ディスペプシアか、それとも?
2. 各種疾患と腸内マイクロバイオーム
3. FDと生活習慣病関連因子
4. FDの分子構造:末梢性内臓知覚過敏と温度感受性TRPV1チャネル

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