COX-2阻害薬の適正使用

著:佐野 統(兵庫医科大学内科学講座 リウマチ・膠原病科主任教授)
定価1,800円+税 A5判 55頁
ISBN978-4-86270-039-1

●非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の開発の歴史から作用機序、COX-2選択的阻害薬へと発展した経緯、安全性・副作用(消化管障害・心血管系リスク)とそのエビデンス、今後の可能性について、図と解説文の組み合わせでコンパクトに解説。

●COX-2阻害薬のすべてが簡便に理解できるハンドブック。


<序より抜粋> NSAIDsは優れた解熱、鎮痛・消炎薬として、最もよく使われている医薬品の一つである。それはステロイドなどの他の抗炎症薬に比べ、副作用が少ないと考えられたからである。NSAIDsの市場は大変大きく、全世界で約1兆5千億円と言われている。特に高齢者に多く処方されることから、今後この市場は社会の高齢化に伴いさらに拡大すると思われる。(中略)COX-2を選択的に阻害すれば副作用のない理想的なNSAIDsであるとの理論のもとに、多くのCOX-2選択的阻害薬が開発された。(中略)COX-2は発癌、アルツハイマー病との関係も報告され、NSAIDsによる抗腫瘍効果も知られている。今後、COX-2選択的阻害薬とこれらの疾患の治療効果の検討が期待される。
 
 

<目次>
●第1章 COX-2選択的阻害薬の消化管への安全性
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)開発の歴史 ―消化管への安全性を目指して―
NSAIDsの作用機序 ―アラキドン酸カスケードとPGの作用―
疫学調査 ―NSAIDsによる消化管障害―
 1)NSAIDsによる上部消化管障害有病率(内視鏡検査)
 2)NSAIDs消化管障害による死亡
COX-2の発見と臨床への応用
 1)COX-1とCOX-2の相違点
 2)COX-1とCOX-2の作用
COX-2選択性を示す機序 ―COX-1とCOX-2の構造の違いより―
各種NSAIDsのCOX-2選択性
COX-2選択性と消化管障害の関連性
COX-2選択的阻害薬の消化管に対する安全性
 1)消化管からの出血量の測定による評価
 2)内視鏡による消化性潰瘍の評価
大規模臨床試験によるCOX-2選択的阻害薬の消化管障害軽減の証明
 1-1)セレコキシブ(セレコックス) ―CLASS試験―
 1-2)セレコキシブ(セレコックス) ―SUCCESS-Ⅰ試験―
 2)メロキシカム(モービック)
 3)エトドラク(ハイペン)

●第2章 COX-2選択的阻害薬の心血管系への影響
NSAIDsによる心血管系リスクの発現機序 ―FitzGeraldの仮説―
大規模臨床試験における心血管系リスクの上昇
 1-1)ロフェコキシブ ―VIGOR試験―
 1-2)ロフェコキシブ ―APPROVe試験―
 2-1)セレコキシブ(セレコックス) ―APC試験―
 2-2)セレコキシブ(セレコックス) ―ADAPT試験―
 3)その他 コキシブ系COX-2選択的阻害薬
 4)メロキシカム(モービック)
エトドラク(ハイペン)の心血管系リスク
COX選択性の違いによる作用
―アスピリンによる血小板凝集抑制作用に対するNSAIDsの影響―

●第3章 COX-2選択的阻害薬の種類と特性
COX-2 選択的阻害薬の開発・撤退の歴史
エトドラク(ハイペン)の適応症と国内開発経緯
エトドラク(ハイペン)の臨床試験成績
メロキシカム(モービック)の適応症と国内開発経緯
メロキシカム(モービック)の臨床試験成績
COX-2選択的阻害薬の重篤な皮膚障害
セレコキシブ(セレコックス)の適応症と国内開発経緯
セレコキシブ(セレコックス)の臨床試験成績

●第4章 その他(薬物動態、COX-2選択的阻害薬の新たな可能性)
相互作用
高齢者に対する考慮(体内動態)
COX-2選択的阻害薬の新たな可能性
抗腫瘍効果 ―胃癌発生抑制効果―
抗腫瘍効果 ―APC試験、FAP試験―
エトドラク(ハイペン)のアロディニア寛解作用

●文献一覧
●主な非ステロイド性抗炎症薬の剤形、用法・用量、適応症、禁忌(表)

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