ピック病の症状と治療―コウノメソッドで理解する前頭側頭葉変性症―

期待されるチアゾリジン薬

改訂版

編集:門脇 孝(東京大学 糖尿病・代謝内科教授)

仕様:A5判 328頁 ISBN978-4-86270-031-5

価格:定価4,800円+税



●初版発行から6年,新たに15項目を追加した大幅増ページの改訂版。

●新たなエビデンス,安全性,インクレチン関連薬等との併用,ひとくちコラムなど,チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)の最新知見から効果的な使い方までを網羅。

はじめにより

「期待されるチアゾリジン薬」の初版が刊行されて,6年が経過した。その間,チアゾリジン薬をめぐって,心血管イベント抑制についてのエビデンスや膵保護作用による糖尿病発症・進行抑制のエビデンスが集積されてきた。(中略)インスリン抵抗性改善薬の初期治療における重要性が増している。同様に,DPP-4阻害薬などインクレチン関連薬の位置付けも重要性を増している。ADA/EASDガイドラインでは,チアゾリジン薬やインクレチン薬が,SU薬やインスリンと同列の次の選択肢に位置付けが引き上げられた。また,インクレチン薬との併用は,低血糖を惹起せず,日本人の糖尿病の二大病態のインスリン分泌低下とインスリン抵抗性を治療しうる併用療法として注目されている。(後略)
本書は,このような状況の下で,糖尿病治療における位置付けの高まっているチアゾリジン薬に特徴的でユニークな作用特性や臨床的有用性を十分踏まえ,同時に安全性についても十分考慮した適正使用を推進する必要性が高まったことから,初版の内容は踏まえつつ新たに企画され,執筆されたものである。(門脇 孝)

目次

1. 糖尿病におけるインスリン抵抗性と薬物療法
1)わが国の2型糖尿病の特徴
   ○ひとくちコラム: KCNQ1
2)2型糖尿病におけるインスリン抵抗性
3)チアゾリジン薬の作用機序
4)経口糖尿病治療薬の種類と特性

2. 各種疾患におけるインスリン抵抗性
1)循環器疾患におけるインスリン抵抗性
2)高血圧とインスリン抵抗性
3)脂質代謝とインスリン抵抗性
4)認知症とインスリン抵抗性―アルツハイマー病を中心に
5)臓器別のインスリン抵抗性

3. チアゾリジン薬が期待される理由
1)血糖改善作用(長期の血糖管理)
2)膵保護作用
3)糖尿病発症抑制
4)腎保護作用
5)脂質代謝異常改善作用
6)抗動脈硬化作用
7)アディポカインに対する作用―アディポネクチンをはじめとして
   ○ひとくちコラム: オスモチン
8)脂肪肝に対する作用
   ○ひとくちコラム: 肝臓での酸化ストレス・小胞体ストレスへ及ぼす作用

4. チアゾリジンのわが国における臨床研究
1)炎症および酸化ストレス軽減作用
   ○ひとくちコラム: PI3Kγ阻害によるインスリン抵抗性改善の可能性
2)IMTの減少作用および血糖低下に依存しない抗動脈硬化作用
3)冠動脈疾患病態改善作用
4)微量アルブミン尿への影響

5. 大規模試験から
1)PRACTICAL
2)PROactive Study
○ひとくちコラム: Legacy effect
3)CHICAGO Study
4)PERISCOPE study
5)J-DOIT3
6)ACT NOW

6. チアゾリジンの安全性
1)浮 腫
2)体重増加
3)骨 折
4)ピオグリタゾンとロシグリタゾンの相違(安全性)
5)膀胱癌

7. チアゾリジン薬の効果的な使い方
1)単独投与
2)他剤との併用
     SU薬,グリニド薬
     ビグアナイド薬
     インクレチン薬,α-グルコシダーゼ阻害薬
     インスリン製剤
3)心疾患合併例

8. PPARγの最新動向
1)PPAR標的薬の開発動向
2)PPARγをめぐる基礎研究の進展 ―エピゲノム解析をはじめとして

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