見えてきたグリニド
- The Second 10 Years に向けて -

編集:河盛隆造(順天堂大学大学院教授・(文科省事業)スポートロジーセンター センター長)
定価2,500円+税
A5判・108頁
ISBN978-4-86270-030-8


“弱いSU薬”と揶揄されてきた速効型インスリン分泌促進薬グリニドは,発売から10年を経た今日,インクレチン関連薬と持続血糖モニタリングCGM の登場を機に,SU薬とは明確に異なるインスリン分泌パターン改善薬としての優れた作用機構の一端が明らかに なりました。

本書は,新たなポジショニングが見出されつつあるグリニドの作用機序から多彩な作 用・使い方まで,順天堂大学代謝内分泌学教室の先生方に解説いただきました。
 
 正誤表


<序より>
私は,2 型糖尿病の治療においては,食後高血糖制御から開始すべき,と強調してきた。 流入したブドウ糖を肝に取り込ませ,食後の一過性の過血糖を防止すべきである。その手 段として,①単純糖質摂取を制限し,必要ならαグルコシダーゼ阻害薬を応用し,肝への 急峻なブドウ糖の流入を緩徐にする,②肝のインスリン感受性を高めるべく脂肪肝を是正 する,メトホルミン,チアゾリジン薬などを活用する,③食後速やかにインスリンを肝に 流入させる,の3 点を満たすことが必須である。③に関しては,10 年前にグリニドが登場 し,可能となった。<中略>
“糖のながれ”を正常化することが決して不可能ではない時代にいる,と捉えている。 本書では,グリニドの臨床成績や,迅速なインスリン分泌を促す機序に関する基礎研究 など,私どもの教室での成績も含め記載させていただいた。
この10 年間で新薬の登場により,いかに2 型糖尿病治療方針が変化したか,秘められた 体内での不明な点が次々と解明されるに至ったか,など実感していただければ幸いである。
近々第3 のグリニド系薬剤も登場すると聞く。さらにグリニドと他の糖尿病薬との合剤 も上市されるようだ。毎食後の血糖コントロールがたやすくなり,糖尿病患者の宿命とも いえる動脈硬化性疾患が減少することを期待したい。
(河盛 隆造)

【内容項目と執筆者】
河盛 隆造
1.. 日本人の2型糖尿病とグリニドの役割
1)日本人2型糖尿病のインスリン分泌動態
  綿田 裕孝
2)グリニドの作用機序 ―膵β細胞への作用
  内田 豊義
3)グリニドの血糖変動に対する効果 ―SU 薬とどう違うのか!?
  弘世 貴久
2. グリニドの膵外作用とその評価
  1)食後高脂血症に対する効果
  大村 千恵
  2)動脈硬化に対する効果 ―血管内皮機能改善作用,IMT 退縮作用
  三田 智也
  3)肝臓への作用
  田村 好史
  4)抗酸化作用
  野見山 崇
3. 大規模臨床試験 NAVIGATOR
  金澤 昭雄
4. グリニドの使い方
  ・単独療法
  酒井 謙
  ・併用療法
  1)αグルコシダーゼ阻害薬
  佐藤 文彦
  2)インスリン抵抗性改善薬(ビグアナイド薬,チアゾリジン薬)との併用
  櫻井 裕子
  3)インクレチン薬との併用
  藤谷与士夫
  4)インスリン製剤との併用
  吉原 知明
  5)高血圧症例:ARB との併用
  東 浩介
5. 低血糖・体重増加
  中山 志保
6. 禁忌・慎重投与
  菅野 玲
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