見直されたレジン(陰イオン交換樹脂)
―その位置づけと使い方―

編集:寺本民生(帝京大学医学部内科主任教授)

定価:2,500円+税 A5判 103頁
ISBN978-4-86270-028-5



●高脂血症治療薬として使用されてきたレジンの新たな作用が明らかになり,高脂血症のみならず糖尿病治療への応用も視野に入ってきたレジンの最新のポジショニングを専門医がクリアに解説。


<序>より
 陰イオン交換樹脂(レジン)の歴史は古く,その使われ方も紆余曲折した薬剤である。しかし,薬剤の安全性と,確実なLDL-コレステロール(LDL-C)低下効果があることから,初めて大規模な冠動脈疾患(CAD)の一次予防に成功した薬剤でもある。(中略)FDAは,実際にレジンが糖尿病に対して有効な作用を有するということから,糖尿病治療薬として新たな薬剤適用を認証した。
  現代の動脈硬化性疾患の増加は脂質異常のみならず,メタボリックシンドロームに代表されるエネルギー消費不足,つまり肥満が大きな問題であるとともに,その延長線上にある糖尿病が爆発的に増えていることに起因する。
  レジンをここで取り上げた理由は,このような疾病構造の変遷が起こっているときに,極めてユニークな作用を有するレジンをもう一度見直すべきであるということである。さらに,現在起こっているLDL-C治療のEBMを先駆けて作ったという事実を再認識していただきたいことも,ここでレジンを取り上げた理由である。
  このようなレジンが,今後どのような方向性をたどるのか極めて興味深いものがあるが,スタチンで一段落した現在,次なるステップとして考慮しておくべき薬剤と認識していただければ幸いである。
  本書が,少しでも臨床の場でお役に立つところがあれば,編者として誠に幸甚である。
(寺本民生)

内容目次
1. レジン(陰イオン交換樹脂)の歴史
2. 脂質の吸収メカニズム(主としてコレステロールについて)
3. コレステロールの体内動態
4. 脂質異常症治療におけるレジンの位置付け(ガイドライン2007をふまえて)
5. レジンの効果とスタチンとの併用療法
6. レジンの単独療法およびフィブラートとの併用療法
7. レジンの副作用と対策(特に便秘について)
8. 大規模臨床試験LRC-CPPT
9. エネルギー代謝における胆汁酸の働きとレジンの位置づけ
10. レジンの幅広い使い方

糖尿病合併
 ・糖尿病合併例におけるレジンの位置づけ
 ・症例から見た糖尿病合併例でのレジンの使い方
メタボリックシンドローム
  ・メタボリックシンドロームに対する胆汁酸吸着レジンの効果
  ・症例から見た食事・運動の強化とレジン
トピックス:
  ・陰イオン交換樹脂による体内ダイオキシン類・PCBs削減の試み
  ・高リン血症

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