メタボリックシンドロームにおける高尿酸血症の意義とその管理
―近年の研究からわかってきたこと―

編集:細谷龍男(東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科教授)
下村伊一郎
(大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学教授)

定価:2500円+税 A5判 121頁
ISBN978-4-86270-026-1



●メタボリックシンドローム概念の登場で,古典的には痛風の発症基盤として捉えられてきた高尿酸血症の意義が,いま大きく舵を切ることに。尿酸代謝異常の分子医学的側面の解説から治療・管理までをコンパクトにまとめてあります。


<巻頭言>より抜粋
 古典的には,痛風関節炎,痛風結節,痛風腎の病因として高尿酸血症が論じられてきた。しかし,優れた尿酸降下薬の臨床への導入以降,痛風関節炎は予防可能となり,痛風結節,痛風腎は激減した。
  一方,わが国では食生活の欧米化などを主因とする生活習慣の変化に伴い,1960年以降高尿酸血症が著しく増加し,現在もその傾向は持続していると報告されている。その高尿酸血症の増加と時を同じくして増加しているといわれる肥満,あるいはメタボリックシンドロームと関連し,高尿酸血症が慢性腎臓病(CKD)の発症,進展因子の一つではないかと考えられるようになってきた。(中略)
  本企画が,最新のこれらの諸問題に対する知見を紹介し,問題解決の糸口となり,さらなる進歩に繋がってくれることを希望して止まない。(細谷龍男)
<おわりに>より抜粋
  尿酸研究の一つのブレークスルーはURATの発見であろう。肥満時の尿酸排泄低下が,高インスリンによる腎尿細管URATを介した尿酸吸収の上昇によるという考え方は,とても論理的である。また高尿酸血症が,メタボリックシンドロームの病態の中で併存病態なのか,一部でも病態の上流に位置しうるかという点において,血管平滑筋細胞URATを介した尿酸そのものがatherogenicな因子として作用する可能性が提唱されたことは,今後の高尿酸血症と動脈硬化症の連関に関する臨床研究結果の評価をしていく上で意義深い。(下村伊一郎)

内容目次
1. メタボリックシンドロームにおける高尿酸血症の疫学
2. 尿酸と脂肪組織機能~メタボリックシンドローム診療の新しい視点~
3. 尿酸と酸化ストレス
4. 尿酸とインスリン抵抗性
5. 尿酸とアディポネクチン
6. 尿酸とメタボリックシンドローム(周辺疾患も含めて)

  1)尿酸と肥満
  2)尿酸と糖代謝異常
  3)尿酸と高血圧
  4)尿酸と脂質異常症
  5)尿酸と動脈硬化症
  6)尿酸とCKD
  7)尿酸とNASH・NAFLD

7. メタボリックシンドロームにおける高尿酸血症の管理と薬物療法

 1)高尿酸血症の食事療法
 2)高尿酸血症の運動療法
 3)高尿酸血症の薬物療法

上へ