高齢者における糖尿病治療薬の使い方

ゼン先生の栄養管理講座(Ⅰ)

編集:井上善文(大阪大学国際医工情報センター栄養ディバイス未来医工学共同研究部門 特任教授)
定価 本体3,500円+税
A4判350頁
ISBN978-4-86270-166-4



●大阪大学国際医工情報センター栄養ディバイス未来医工学共同研究部門のwebサイトで連載中の「ゼン先生の栄養管理講座」のうち、第1回~第40回をそのまま書籍化。

●著者の栄養管理にまつわる活動が、豊富な写真とともに書き綴られている。

●毎回、著者と小越章平先生との対話形式で、月ごとのテーマについて書き進められていて、さらに講演で訪れた土地の情緒も写真からあふれ出ていて、読み飽きない。

<序>より

 『ゼン先生の栄養管理講座』は、2013年12月に書いた原稿を2014年1月にホームページ上に掲載するようになって、40回を数えました。実際には、2001年から株式会社ジェフコーポレーションの「静脈経腸栄養ニューズ PEN」に『みんなの栄養管理講座』の連載を始めて、その続きとして『ゼン先生の栄養管理講座』を継続しています。第40回は、『みんなの栄養管理講座』を第1回として計算すると、第190回となります。15年と10カ月です。よくもまあ、ここまで書き続けたものだと、ふと思ったりします。
 さまざまな事情で『みんなの栄養管理講座』が終わった時は、気持ちとしても落ち込んだのですが、臨床栄養の領域に小さくてもいいから刺激を与えたいという思いが強く、当研究部門のホームページで掲載するという方法を選択しました。執筆スタイルもほぼ同じですが、字数制限がなくなったため、写真の数はふえ、1回の文字数は1万字を超えるという状況になってしまいました。自分で制限をかけるしかなくなってしまいました。写真の数が20を超え、字数が1万字ということになると、読むのに時間がかかる、と思っておられるかもしれませんが、お許しください。このような事情ですので、読んでいただいている方は非常に少ないのではないかという不安にもかられます。ホームページ上での掲載なので、どのくらいの方に読んでいただいているのか、全くわかりません。時々、読んでいます、というお声掛けをいただくと、非常にうれしく思ったりしております。
 会話は、ゼン先生と小越先生の間で行われます。ここで小越先生のお名前をお借りしているのは、私の勝手な意見を、大きく包んでいただける、というイメージがあるからです。小越先生がお亡くなりになって既に4年が過ぎました。臨床栄養の領域で小越先生のことを知らない方も多いと思います。しかし、私自身の中には生きておられます。会話をする中で、小越先生が話しかけてくださいます。小越先生が、この静脈栄養・経腸栄養の領域に対して考えておられた内容を想像しながら、自分はその遺志を引き継ぐのだ、という思いで会話させていただいているように思います。(中略)
 私の尊敬する先輩が『われわれはダドリックがTPNを開発し、栄養管理の重要性に目覚めさせてくれた1970年代から、日本の栄養管理レベルを上げようとがんばってきた。本当、少しずつ少しずつレベルアップしてきたと思っていたのに、最近の状況はどうだ。真剣に、本気で栄養が大事だと思っている医療者はどこにいるんだ、という感じになってしまっている。レベルが落ちるのは本当に一瞬だな。われわれの苦労はどこかへ行ってしまったんだろうか』と言っておられました。この発言は重い。われわれは真摯にこの先輩のお気持ちを理解し、そうではない、がんばっている、それを示せるような活動をしなければならないと思います。
 私自身、正しい臨床栄養法の普及のための活動を、細々ではありますが、続けております。活動としても、非常にやりにくい部分があることも否定しません。しかし、正しい臨床栄養法を普及させなければならない、という強い思いが萎えることはありません。細々ではあっても、正しい臨床栄養法の重要性を理解して実践できる仲間を増やすための活動を、一人でも多く仲間を増やすための活動を続けていきます。この『ゼン先生の栄養管理講座』も、その活動の一環と位置付けて書き続けております。これからも、力の続く限り書き続けたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

(井上善文)

目次

●ゼン先生の栄養管理講座●

第1回  静脈経腸栄養ガイドライン第3版を買うことから臨床栄養の修行は始まる!
      -栄養管理は栄養アセスメントから始まる!-

第2回  栄養障害の分類としては、マラスムスとクワシオルコルではもう古い!

第3回  SGAという栄養指標は、栄養障害を見落とさず、拾い上げるために用いるのです

第4回  サーベイランスは、日本の臨床栄養のこれからを考える基本となる大事な仕事!

第5回  栄養障害の新しい分類を提唱しますので、考えてみてください

第6回  PPN製剤は感染しやすいからできるだけ使わないほうがいい?それは、栄養を知らない素人の言うことですよ!

第7回  胃瘻バッシングの影響は、かなり深刻です。間違った医療が広がっています

第8回  薬剤部ですべてのTPN輸液を無菌調製している病院もあります:本当は当然・・・ですが

第9回  カテーテル感染が克服できたら、もっとレベルの高い栄養管理ができる

第10回  NST加算のおかげでNSTが多くの病院に設立されて、栄養管理レベルが上がった?

第11回  胃瘻の代わりにCVポートの患者がむちゃくちゃ増えているみたい・・・間違いだ!

第12回  栄養管理の経路として医学的に正しい時でも、「胃瘻を造設してもいいですか?」と聞かなくてはならない?

第13回  せっかく留置したCVポートなんだから、便利、便利という考えではなく、もっと大事に扱わなくては

第14回  第30回JSPENの「ためになる講演」は、本当にためになりますよ!

第15回  第30回JSPEN学術集会、参加して、活躍していただき、ありがとうございました

第16回  臨床栄養の領域に学問がなくなっていませんか?

第17回  CLABSIの定義を使うと、カテーテル関連血流感染症は「ゼロ」にできる?

第18回  高齢者に対する栄養管理って、特別? 基本を理解することが重要!

第19回  脂肪乳剤はCVCラインに側注の形で投与してもいいのです
      ただし、ラインの無菌的管理を徹底してください

第20回  半固形状流動食の使い分けは?
      胃瘻では高粘度、加水タイプが第一選択でしょう

第21回  NSTをする、のではなく、NSTで何をするか、を考えよう

第22回  NSTが対象とすべき症例は?
      本来は(特殊)栄養療法実施症例ですよ

第23回  NSTの弊害についても考えながら活動しましょう

第24回  自然に集まったチームで栄養回診をやっています

第25回  やっぱりCLABSIでカテーテル感染の発生頻度を検討するのはおかしい!

第26回  栄養管理を理解せずにカテーテル感染予防対策が語れるはずがない

第27回  栄養管理の専門家らしいPPN を実施しましょうや

第28回  我々が目指すのはMedical Nutritionistです

第29回  カテ感染はカテーテルを抜けばおしまいではない、
      本気で診断しよう

第30回  TPNとは、組成、投与量をきちんと計算して中身を理解した上で実施すること。
      「塊」を投与するのではない!

第31回  胃瘻造設や、経腸栄養、在宅に関連した診療報酬が低すぎる!

第32回  安全管理の領域から栄養管理を考える、そっちのほうが栄養管理の重要性が認識されるかもしれませんが・・・

第33回  PICCは普及しつつありますが、その適応をきちんと考える必要があります

第34回  侵襲期に維持輸液だけで管理すると、どんどん栄養障害が進行してしまう、これは重大な問題です

第35回  「缶や紙パックに入った経腸栄養剤をイリゲーターなどに移し替えて投与する方法」を、TTB : TRANSFER-TO-BAG/BOTTLE方式と呼びましょう

第36回  一番大事なのは、PICCは末梢静脈カテーテルではなく、CVCであることを本当の意味で理解すること

第37回  患者さんのことを考えてCVポートを、留置している? 使っている?

第38回  栄養管理の適応を考えて、その後で胃瘻の適応かを考えるべきです

第39回  脂肪乳剤を投与すると感染する? それはフィルターが使えないから? それは間違った考え方です。

第40回  現在のTPN の製品は完成している、だから勉強しなくてもいい、キット製品を使えばTPNは簡単だ、と思っていませんか?

上へ