高齢者における糖尿病治療薬の使い方

高齢者における糖尿病治療薬の使い方

―新たなカテゴリー別目標値への適切な対応のために

編集:稲垣暢也(京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学教授)
定価 本体4600円+税
B5判192頁(カラー)
ISBN987-4-86270-162-6



●新たに掲げられた「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」に対して,具体的にどのように対応すべきか。高齢者の糖尿病治療における薬剤処方のポイントは何か。

●高齢者の特徴を踏まえた適切な血糖コントロール目標値の設定と、そのための糖尿病薬物治療のコツを専門医が簡明に解説。

<序>より

 平成27年に日本糖尿病学会と日本老年医学会は高齢者糖尿病の治療向上のための合同委員会を立ち上げ,平成28年5月に京都で開催された第59回日本糖尿病年次学術集会において,高齢者糖尿病の血糖コントロール目標が提示された。その内容は,患者の年齢,認知機能,身体機能(基本的ADLや手段的ADL),併発疾患,重症低血糖のリスク,余命などを考慮して個別に設定し,重症低血糖が危惧される場合は,目標下限値を設定し,より安全な治療を行う,といったものである。
 本書では,高齢者における糖尿病治療薬の使い方について,高齢者糖尿病の特徴と注意点,血糖管理目標値とその考え方,各種経口糖尿病薬やインスリン薬の使い方,などを中心に,高齢者糖尿病の治療向上のための合同委員会のメンバーをはじめ,高齢者糖尿病の分野におけるわが国の第一人者の先生方に,ご執筆をお願いした。明日からの診療に役立つことを願う。

(稲垣 暢也)

内容目次

1.高齢者糖尿病の特徴と注意点:基本知識

1)高齢者の糖尿病の特徴  井藤 英喜
2)糖尿病治療におけるフレイルの意義を考える  荒井 秀典
3)サルコペニア  葛谷 雅文
4)認知機能  櫻井 孝
5)ポリファーマシー  鈴木 亮
6)高齢者の低血糖  荒木 厚

2.高齢者糖尿病の新たな管理目標値とその考え方

高齢者糖尿病の新たな管理目標値とその考え方   羽田 勝計  

3.高齢者糖尿病における経口糖尿病薬の使い方

1)インスリン分泌促進系
  SU薬  岩倉 敏夫
  グリニド薬  登坂 祐佳・綿田 裕孝
  DPP-4阻害薬  山根 俊介・稲垣 暢也
2)インスリン抵抗性改善系
  ビグアナイド薬  太田 明雄・田中 逸
  チアゾリジン薬  佐藤 麻子
3)糖吸収・排泄調節系
  α-グルコシダーゼ阻害薬  松浦 文三
  SGLT2阻害薬  添田 光太郎・植木 浩二郎
4)GLP-1受容体作動薬  櫻町 惟・浜本 芳之・清野 裕
5)高齢者における併用療法
  DPP-4阻害薬 + メトホルミン  高橋 和之・山田 祐一郎
  DPP-4阻害薬 + SU薬orグリニド薬  船越 生吾・藤本 新平
  SGLT2阻害薬を用いた併用  本島 寛之・荒木 栄一

4.高齢者糖尿病におけるインスリン薬の使い方-課題と対策―

1)1型糖尿病  馬場谷 成・池上 博司
2)2型糖尿病  石澤 香野・馬場園 哲也・内潟 安子

5.合併症を有する高齢者糖尿病における糖尿病薬治療

1)糖尿病性腎症  荒木 久澄・前川 聡
2)認知症  河村 孝彦

6.トピックス

1)糖尿病とがん   能登 洋
2)糖尿病と認知症  横野 浩一
3)糖尿病と骨折  金沢 一平・杉本 利嗣
4)心血管イベントに関する糖尿病治療薬の最新のエビデンス  北田 宗弘・古家 大祐
5)「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」のインパクト  秋下 雅弘

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